 | 藤原 章生 集英社 2005-11
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アフリカがほんの少し身近になりました。
新聞の書評に「ルワンダ大虐殺でフツ族とツチ族の区別がつかない人は読むべし」みたいに書かれていたので、心の中で「はいっ」と手をあげ、すぐさま図書館にリクエストしました。待って待って3ヶ月。ようやく手にした本書は、期待通りの良書でした。
自分にとって世界中で最も遠い地域は間違いなくアフリカで、いくつかの紋切り型のキーワードをあげるのが精一杯。たとえば「南アってアパルトヘイトやめたんだよね」「真ん中ら辺って紛争で危険なんでしょ」「ツエツエ蠅にエイズにエボラ出血熱」「ツチとフツって、で結局どっちが悪いのよ」お粗末にも程がありますね。おまけに、あまりにも遠いもんだから関心も薄くて、「Feed the World!」ってボーノに言われたら、そうかまた飢饉なんだなーと思う位のもので。
品格ある文章の中に、人々が生き生きと息づいています。著者の視点は人間性に満ちて暖かです。人が生きるとはどういう事か。偏見とは。貧困とは。援助とは。暴力とは。人々へのインタビューや事件を通して、実に様々な、重いテーマが直球で向かってきます。無知と無自覚な偏見からつい紋切り型に返してしまいがちなそれらを、地に足をつけて真摯に受け止めようとする筆者に深い共感を覚えました。
と同時に、異邦人として異国の人々の間で生活するという経験を、少し羨ましくも思いました。
久々に、自分の背筋もちょっとだけ伸びた気がします。